NIKKI

なんかお腹痛いなぁ…って思った時に書いてるブログ

僕のサークルについて

 

 

今までにいろんなことをこのブログやツイッターなどのインターネット上に書いてきた。旅行にいったこととか、やるせない気持ちだったり、ブスについても書いたりもした。だけど今日書くブログは現時点で一番書きたい内容だし、同時に書くことを躊躇する内容なのでスムーズに読みやすく書けるかは保障できない。あくまで自分へ区切りをつけるためという、とても個人的かつ内省的な内容となることを予め断っておきたい。

 

 

 

僕はこれまで学生フォーミュラというサークルで活動していた。まぁ、なんのサークルか分からない人も多いと思うので軽く説明しておくと、フォーミュラカーを設計・製作・走行させ各大学で競うサークルである。いわば、学生の作るF1と言ったところだろうか。これまで何も作ったことのない、受験勉強しかしてこなかった人間が突然レーシングカーの設計を行い、自分が設計したものを工場で鉄とかアルミとか削ったり溶接しながら製作し、組み立てる。そして速いラップタイムを追求し、テスト走行を重ね、大会に出場する。こうやって文章にするとすごくかっこいいし魅力を感じるけれど、実際にやってみるとめちゃくちゃ大変だ。忙しい時期になると徹夜なんて当たり前だし、精神崩壊も珍しくない。しかも、クルマを作るだけでなく製造工程と図面を書いて必要コストを計算した1000ページに及ぶレポートの作成、設計の注目点について記述したデザインレポートの作成、さらには製作したクルマを世の中に販売することを想定したプレゼンテーションも行わなければならない。正直言って、暇なときなんてないのだ。ひとつひとつを説明していくと日が暮れてしまうので、僕がこのサークルを引退するにあたって感じたこと、書きたいことを項目別に書いていきたいと思う。

 

 

 

 

 

 

~ものづくりに関して~

高校まではものづくりなんてものには縁はなかったし、どちらかというと苦手な方だった。今でも苦手なんだけれど笑。僕はこのサークルでサスペンション担当としてサスペンション機構の設計・製作に励んできた。最初はCADソフトを使ってPC上でいろんな形状のものを作れるのが面白かった。巻き糞とか作ってた記憶がある。

 

そうやって遊んでいるうちは楽しいのだけれどやっぱり部品を設計するとなると吐くほどキツイ。想定される荷重に耐えられるよう何度もFEM解析を行い、修正していく。サスペンションのレイアウトについてもリンク機構やダンパーの位置を1mmずつずらしながら他の部品との干渉を回避し、最も良い性能を発揮できるように配置していかないといけない。何かの性能を上げれば他の部分の性能は下がってしまう。わかりやすい例だと使用するパイプの径を大きくすれば剛性は高くなるが質量は重くなってしまう。(断面二次極モーメントを考慮すればそうとも限らない。あくまで中実丸棒を想定した話。) そんなジレンマの中でわけがわからないまま設計を行い、迫りくる納期と戦っていた。自分で言うのもなんだが、割と要領は悪くはなかったので早い段階で見切りをつけ納期重視でやっていたので苦しみは少なかった。

 

 

で、設計をすればそれを作らないといけない。図工の工作なんかとは大違いである。大学内の工場を利用して部品を製作していく。素人にはいったい何の部品なのか想像もできないような部品を作る。作りまくる。僕はそれらの部品をつなぎあわせる溶接を担当していた。なぜか最初から上手くて少しの練習しかせずに高い精度の溶接ができていたので、これに関しては純粋に楽しかった。もし何か溶接してほしいものがあればいつでも言ってほしい。喜んでやります笑。

 

 

部品を製作する上で何より大切なのは精度。溶接でも溶接ひずみを想定して冶具を設計しないといけないし(溶接すると熱の影響で部品が数mm変形してしまうので、冷めるまで固定しておく機構が必要なのである)、旋盤やフライス盤を使用した部品は基本的には1mm以上の製作誤差は話にならない。特にベアリングとかを圧入する部品の内径に関してはうろ覚えだけど0.002mm以下の誤差に収めないといけない、実際に、誤差が大きくなってしまうとベアリングのボールが渋くなってしまって使い物にならないのだ。

 

 

まぁ、いろいろと大変なのだがやっぱりここでも納期ってやつが大変厄介になってくる。決められた期日までにクルマを完成させることがどんなに大変なのか、そして最も体に効くエナジードリンクは何なのか、学んだことは非常に多いけどその分挫折と絶望も味わった。初めて本気で死にたいと思った。毎日、毎日サークルを辞めたいと思いながら部品を作ってた。完成したときの喜びなんてものより、疲労感と納期を守れなかった虚無感に襲われていた。二度とやりたくないので、後輩にはぜひとも頑張って欲しい。

 

 

 

 

~壊れることについて~

ここでは精神や人格の破壊ではなくクルマの破壊について書きたいと思う。

やっぱり、経験未熟な学生によって作られたクルマの信頼性なんてものほとんどない。大抵は壊れるものである。故障はエンジン系に多発するものだが、僕の担当したサスペンションでも起こりまくった。ダンパーからの液漏れや走行中にタイヤがもげたりもした。それはつまり製作のやり直しを意味する。死である。壊れたものを治すのは不可能ではないが、何より壊れているのは自分の心である。自分の設計が正しくなかったこと、製造過程に不備があったこと、未熟であること、色んな事実と責任が突き付けられショック状態に陥る。幸い、僕は一日寝れば復活するタイプなので立ち直れるが、中にはうつ病になってそのまま学校までもリタイアする人もいる。人生まで壊れてしまうのは良くないよ。

壊れては修復を繰り返した結果、多少のことでは動じなくなったし、かなりタフな人間になれた気はする。その代償に僕の目は大抵死んでいるのだけれど。

 

 

 

 

 

 

~人間関係について~

最後にこの項目について書いて終わりにしたいと思う。というか一番書きたかった項目である。

まず最初に、このサークルを本気でやるならばチームの仲間とは友達関係ではいられなくなる。設計や製作時に互いの主張がぶつかり合い、仲が悪くなる。さらには誰かが失敗したときに必要以上に非難してくるやつもいて人を信じる気持ちなんてものは失われる。結果的にはドライで業務上の関係みたいなものに近づいていく。

特に僕はアイデアを出したり、人に指示をだすことも多かったから失敗した時には非難を浴びた。自分は何もしないくせに人が失敗したときにだけ文句言ってくるやつとかにはマジで殺意が芽生えた。家の壁とか殴りまくる&食べまくるでストレス発散してたけど、結果的に太ってしまった。

 

複雑な人間関係と形式上の信頼関係の中でさらに僕の目は死んでいった。前よりも卑屈な考え方をするようになったと思う。人を疑うことの重要性、信じることの浅はかさ、学んだことを挙げればきりがないが、自分の世界観は大幅に変わった。

 

 

これだけつらいことをしてきて、華の大学生活も納期に拘束されて何一つ楽しくなかったが何よりも大切なことを学べて僕は嬉しい。きっと僕の性格上、学生フォーミュラをやっていなければ、「やりがい」や「達成感」なんて不安定で定量的でないものに引き寄せられて簡単にブラック企業に入社していたと思う。だけどこのサークルのおかげでそんなものより何より大切なのは労働への対価であり、それが唯一僕を報いてくれるもの、つまりは金こそが最重要だと確認できた。

金というのは仕事に責任を発生させる。金が生じないサークルでは誰でも逃げることはできるし、現に僕も逃げたことはある。それについては恥じることもないし、逃げた人を非難するつもりもない。なぜなら僕らは労働に対する対価をもらっていないから。サークルだからそこの文句を言う必要もないが、もしこれが本当の企業だったら許せない。

僕は世界中の何よりもブラック企業を嫌い、非難し、壊滅させたいと思っている。自分が就職する際には絶対にブラック企業には入社しない。そのための努力なら怠らない。僕は僕を守りたいと強く願っている。きっとこの想いはブラックサークルを経験しなければ分からなかったし、本当に感謝している。それだけでこれまで頑張ってきた意味がある。辛かったけれど本当に良かった。