NIKKI

なんかお腹痛いなぁ…って思った時に書いてるブログ

猫に小判、豚に真珠、僕に金

 

先々週の山スキーで完全に燃え尽きたからか、アウトドア欲が皆無になっている。毎週山スキーへのお誘いは来るのだが、なかなか魅力的には思えず、金曜日には酒をしこたま飲んで映画を付けっぱなしにしたまま、ごろーんとベッドに横たわって気絶している。冬が始まってからは考えられなかったことだ。雪質と共に、着々と山への気力は失われている。

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そんな山への気持ちと反比例するかのように、自分の中で音楽への熱が高まっている。きっかけは色々あるが、一番はパルコ松本店で出会ってしまった、Ogi Factoryのギターだ。店内の信州産ギターコーナーの中で一際輝いていた、赤のストラトキャスター。しばらくこれをじっと眺めていると、店員さんが近づいてきて、弾いてみますか?と話しかけてきたので、買えないですけどいいですか?と一応のひとことを差し込んで試奏させてもらった。かれこれ30分ほど弾いていたと思うが、弾き心地もルックスも完全に僕好みで、何よりフロントとセンターのハーフトーンの音が胸の奥深くに突き刺さってしまった。それからというもの、毎日毎日このギターのことばかり考えていて、もはやそれは恋と呼んでも差し支えがないくらいであったが、値段的に買えるわけがないんだよなぁ〜、と自問自答を繰り返していた。それに、そもそもだ。仮にこのギターを買ったとして、このギターに見合う実力は無いし、僕に買われたらこのギター可哀想だよなぁ、もっと上手い人のところに行くべきだよなぁ、とか、この素晴らしい音を鳴らすためのアンプもペダルもヘッドホンもないんだよなぁ、と真っ当な買わない理由を並べて留まろうとしていた。

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ちょうどこの頃、なかなか仕事が大変な時期で、残業と詰問に疲れ果てていた。望んだ結果が出ず、納期が迫り来る中で、「で、どうするんですか?」とおっさんから冷たい目で詰められるのはなかなかにキツく、その最中に芽生える「そんなん知るか!」という気持ちのやり場に困っていた。厳冬期は週末に山を登ってパウダーを滑れば、そういう気持ちは流れていったが、パウダーが無い今、発散できるものがなく、ただイライラを募らせるだけであった。せめてもの簡単に気持ちよくなろうとして、家で酒をガブ飲みしていると、結局のところ、自分の設計者・技術者としての実力不足、知識不足、経験不足でしかないんだよな、という事実ばかりが浮かんでしまい、故に冷たい目のおっさんを非難する気にもなれず、かといって勉強するわけでもなく、ただ、どよ〜んと酔っているだけで、より一層募らせるに過ぎなかった。

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そうした日々の中で、音楽は明らかに僕を支えてくれていて、コリーウォンやジョンメイヤーのギターは脳内を瞬間的に無な状態にさせてくれた。

https://youtu.be/XyF2lHZt8Mo

中でも、ジョンメイヤーのWaiting On the World to Changeのライブ動画は素晴らしく、何度かこのギターソロをコピーすべく練習しているうちに、もっといいアンプが欲しい。。そう思うようになり、気がついたら、

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買ってしまった。このアンプは大変面白く、スマホアプリでエフェクトをかけることができ、そのプリセットは世界中のユーザーと共有できる、という優れものだ。さっそくどこかの誰かが作ったジョンメイヤーのプリセットをダウンロードして弾いてみると、確かにジョンメイヤーっぽい音がする。次にコリーウォンのプリセットをダウンロードして、ハーフトーンで弾いてみると、これはかなり本物の音に近い気がする。

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うん、めちゃくちゃ楽しい。イライラした時はAC/DCやジミヘンのゴリゴリに歪んだ音で爆音を鳴らすのもいいし、気分が良い時はフロントピックアップとジャズ系のプリセットで丸い音を出すのもいい。何にせよ、僕の心に完全に火がついてしまった。

 

これで1週間ほど遊んでいると、ちょっとした疑問が浮かび上がってくる。もしかしていいヘッドホン使えば、もっといい音になるんじゃない?そう思っているうちに、

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買ってしまった。ヤマハの3万もするヘッドホン。惜しげもなく貢いでしまった。さっそくこれを使ってまずは曲を聴いてみると、今までちゃんと聴き取れていなかった音が着々と拾えてしまう。ハイハットの微妙なニュアンスや、ベースの動き、ギターでコードを弾いたときの一音一音の鳴り。ディアンジェロのUntitled(How Does It Feel)やくるりのその線は水平線などの、いわゆる本当に音が良い曲を聴くと、多幸感に溢れてしまう。誰かの冷たい目など、どうだってよく思えてくるくらいに。

いよいよアンプと繋いで自分のギターを鳴らしてみると、さっきの多幸感とは裏腹に、自分の下手さ具合に悲しくなってくる。カッティングの時に鳴らしたくない弦をしっかりミュートできていなかったり、ピッキングの強弱のちぐはぐさだったり、今までの安いヘッドホンだとかき消されていたものが、浮き彫りになってくる。まさにギターの基本とも言えることが全然出来ていないことに愕然とするが、このヘッドホンで練習を続ければ、いつかは憧れのギタリストたちの音に近づけるような気がして、嬉しい。なんというか、この感じ、山を登っている時と同じ感覚かもしれない。少しずつかもしれないけれど、正しい方向に進めば、いつかは絶景が待っているこの感じ。そして正しい方向に進むには、それなりに金が消えていくこの感じ。やっぱり僕はこういうのが好きだな。好きだから冬のボーナス全部消えたんだよな。。夏のボーナスもたぶん消えるんだよな。。馬も買いたいんだよな。。

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↑具現化した冬のボーナス

 

 

冷静に考えると、我が家のオーディオ環境がなかなかエグいことになっている。さっきのヘッドホンに加えて、

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テレビはこのヤマハのステレオスピーカーで、

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スマホからはこのマーシャルのBluetoothスピーカーで。

こんなにも良い環境であるが、ヤマハからは競馬実況、マーシャルからはAV女優の喘ぎ声ばかり流れているという悲しい現実。やっぱ良いギター買っても、なんか申し訳ない気がしてきたわ。

 

 

(バンドやるならこんなバンドやりたい

https://youtu.be/g10h7-A4eCY)