NIKKI

なんかお腹痛いなぁ…って思った時に書いてるブログ

利尻島ホッケ祭りの旅①

 

食堂に向かって歩いているとき、橋本くんはゴールデンウィークは何するの?と同じ課のおじいさんから聞かれた。恒例の利尻島ですよ、と答えると、まじかよ〜羨ましいよ〜、一生で一回は行ってみたいんだよなぁ〜、と羨望の眼差しを向けてくれたので、贅沢な遊びをさせてもらってるんだなぁ、としみじみ思う。同年代であれば、実家に帰省するか、フェスにでもいくか、競馬場に行くくらいしか長期連休はやることがないと思うのだが、僕には"利尻島"という選択肢があることが嬉しい。山も海も、あたたかい人たちも。旧式のパチンコ台も。知らない人からすれば何もない島かと思うかもしれないが、"現地の友達" "現地の母" "スキー" "釣り竿" "40Lのゴミ袋" の便利な5つ道具を揃えておくだけでとても面白い島になるのだ!

 

4月28日

午前中、在宅で仕事をする。まず仕事の定義について考えたい。パソコンを起動し、Teamsを常にオンライン表示にしておくことを仕事と呼ぶのなら、僕は真面目に仕事をしていたと思う。書きかけの図面を開いたまま、部屋から車へ荷物を運ぶ。テント、焚き火台、テーブル、イス。結局使わなかったが。そうこうしている内にあっという間に12:30を迎え、僕は無敵の状態となった。そう、午後半休。一般社会よりもほんの少し早くゴールデンウィークに突入した僕は、颯爽と車に乗り込み、新潟港を目指す。冬の間にバックカントリースキーをするために何度も通った高速道路から見える山々は、雪がめっきり減っていた。初冬の頃に転けて失くしたスキー板もそろそろ出てくる頃合いだろう。探しに行かないと。約4時間ほど。ほぼ自動運転で新潟港に着いた。はやる気持ちを抑えられず、3時間ほど早めに着いてしまった。やることがないので、本を買ったり、去年の夏、同じようにフェリーを待っていた時に、その辺の鳩を集めてフリースタイルラップバトルを聴かせていた広場を眺めたりしていた。そんなことをしていると、あっという間に日は暮れ、乗船の時間となった。

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車ごと船に乗り込み、自分のベットに荷物を置くと、すぐさま風呂に向かう。フェリーのお風呂って結構いいんだよね。こんな感じ。

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これにサウナも付いているので、風呂上がりにはめちゃくちゃ美味いビールが飲めるようになっているのだ。ということで、しっかりサウナで汗をかいた後、外に出てサッポロクラシックをいただく。船の中はもう北海道なのだ。

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4月29日

午後5時。電波の通じない十数時間にも及ぶ暇を乗り越え、ついに北海道の苫小牧に上陸。長かった。フェリーの辛いところはスマホが使えないところだよね。飛行機もそうだけど。さっそく車を走らせて旭川に向かう。途中で見えた山がとても綺麗で、思わず登りたくなった。北海道の山は雄大で、アルプスとはまた違った魅力があるように思える。自分の足で登ってみないことには分からないだろうけど。4時間ほど運転して旭川に着いた僕は、さっそく飲み屋街を巡る。知らない街で一人で飲む時は、カウンターの隅っこで気配を消し、地元の人たちの会話を聴くのが好きだ。この日は、ゴールデンウィークだからか、誰々は旭川に戻ってきてるだとか、そうではないとか。そういう話をしていた。たぶん僕も金沢に帰っていたら似たような話をしてたんだろうな。二件目の日本酒BARで男女3:3くらいで旅行中の大学生グループとちょっと話したり、ドエロい店に入るかどうか迷ったり。旭川の街を少しだけ味わえた。
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4月30日

昨晩は遅くまで飲み歩いていたが、頑張って早起きをして、稚内を目指す。昼過ぎのフェリーに乗らなければならないのだ。それにしても北海道は長い。あと単調。ひたすらに直線道路と変わり映えのない景色が続くので、瞼が徐々に下がってゆく。眠くなっては車を停めて写真を撮って、を繰り返し、フォルダには後から見返さないであろう写真が溜まっていく。途中しばらく見えていた大雪山は圧倒的で、何枚も似たような写真を撮った。ん〜、この山は登りたい。

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やっと稚内港まで辿り着くと、荷物の準備をしなくちゃいけない。ここで車は置いていくため、これから数日間の、持てる限りの遊び道具を持って、フェリー乗り場にむかう。スキーセット。登山靴。ピッケル。釣り竿。同じフェリーにのる人たちから、こいつは何者?という視線を向けられながら、利尻島へと向かう。

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稚内から利尻島までは意外と近い。2時間くらいだ。天気の良い日は稚内から島が見えるくらいだし。意外と気軽に行ける島だと思うんだよね、利尻島って。船からは利尻島がだんだん迫ってくるように見えるのだが、その迫力が凄い。この船からの景色を見るだけでも利尻島に行く価値がある気がするな。

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利尻島に着くと、便利な5つ道具のうちのひとつ。"現地の友達"が迎えに来てくれた。壊れかけのパジェロに乗り込むとさっそく「今から行者にんにく取りに行くから」と言われ、斜面へと連行された。島について30分も経たないうちに山菜取りが始まる。とりあえず今日食べる分だけとればいいよ、と言われたので、レジ袋一袋分ほどを採り、我々は温泉へと向かった。ホテル利尻の温泉は、ふるさとサポーターなるものに申し込んでおけば無料で入れるので、利尻に行かれる方はぜひご活用ください。詳しいことは全部"現地の友達"がやってくれたので、僕は何も知らないが、なんかをいい感じに申請すれば↓のような券がもらえて、↓のような温泉に入り放題となるのだ。

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夕陽を眺めながら露天風呂に浸かっていると、現地の友達がお風呂の掃除をしているお兄さんに話しかけられていた。「今日の夜イカ釣りに行くからよぉ、9時半くらいにとりに来なよ。いつもの漁港に。」この距離感が利尻島なのだ。現地の友達とお兄さんは友達っていうほどの間柄ではないし、お互いの名前もよく知らない。なのに、こうなる。食べ物は偉大だ。

風呂から上がった我々は、便利な5つ道具のうちのひとつ。"現地の母"であるマキちゃんの店に行者にんにくを携えて向かった。マキちゃんは去年の夏に利尻島でウニ・アワビフィーバー旅をしていた時に、我々にご飯を作ってくれたりと大変良くしてくださった人だ。僕たちが書いたエッセイ本も読んでくれていて、僕のことを「先生」と呼んでくれている。それにしても、あの本を読んだ某大学の教授からは「ベストセラー作家」と呼ばれていたりもしているので、なんだか自分が凄い人間になった気がして偉そうになってしまう。やっぱり本のクオリティーはどうであれ、ブログのような電子的なものではなく、ちゃんとした本として作ったのが良かったよな、と改めて思う。そんなことはさておいて、島に着いて30分で採った行者にんにくをマキちゃんに天ぷらと炒め物にしてもらった。めちゃうま〜い。自分で採ってきた物を人に作ってもらって食べるのは最高だなぁ。怠惰な自分に乾杯だ!マキちゃん、ありがとう。

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9時過ぎに店を出て、我々は漁港へ向かう。港では何台かの車が停まっていて、数人が海面を明るく照らしていた。産卵のために湾内にやってきたイカを光で集め、それを針でひっかけて釣るそうだ。車を降りて明かりに近づくと、温泉のお兄さんが「いやー今日はあんま釣れないわ」と言って、イカを1杯くださった。「1杯しかあげれなくてごめんね。ほんとは人数分あげたかったんだけどね〜」いやいや。どれだけ優しいんだ、この人。それとももう飽きるほどイカ食ってんのかな。両方か。

イカを手に入れた我々は、現地の友達の家に入り、さっそくイカを食べる。さっきまでその辺にいたイカだ。美味くないわけなかろう。サッポロクラシックも今日何本目だろうか。利尻に着いて数時間しか経っていないのに、こんなに楽しく、美味しいものに囲まれて。おらぁ、幸せだぁ〜ʅ(◞‿◟)ʃ  (その②に続く。。)

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(なかなかホッケのところまで辿り着かん…)