雪山の基礎は木曽駒ヶ岳から
大川入山や蓼科山を登ってみて、やっぱり本格的な雪山を登りたい!と思った僕。けれどもそんな雪山登攀スキルなんてないので、とりあえずなんか行けそうなアルプスの山を調べてみた。いわゆる初心者向けの山として挙がったのは乗鞍岳と木曽駒ヶ岳。乗鞍はどちらかというとバックカントリー向けの山で、そんなにスキーが得意ではない僕には肩身が狭い。それに、アイゼンとピッケルをがっつり使った登山がしたいな〜と思っていたので候補から除外。木曽駒ヶ岳はまだ行ったことはないし、有名な千畳敷カールも見てみたい。それに、もし次の夏に登山初心者を連れていくならここかな〜と思っていたのもあって、下見としても(どんだけ前から準備してんだよwと思うが)木曽駒ヶ岳に登ることにした。
天候は晴れ。風は強し。菅の台バスターミナルからバスに揺られて30分。ロープウェイ乗り場に着く。ガラガラのロープウェイに揺られて程なくすると、アルプスらしい景色が流れてきた。
やっぱりね、このスケール感こそアルプスだよなぁ。最近は低山で遊んでばかりいたので、秋以来のアルプスとの再会にうれしくなる。
ここから登山開始。いやー、楽だな木曽駒は笑。いきなりこんな良い景色から始まるなんて。夏だと登りごたえがなさすぎて不完全燃焼になりそうな気がする。個人的には無限に続くような樹林帯を抜けると突然現れる景色が好きなんだけど、初心者にはこっちの方がいいのかもしれない。この景色をみて登山好きになってくれる人が増えたらいいな。
強風が吹き付ける中で、アイゼンとピッケルをしっかり雪に差し込んで進む。突風が来たらしゃがんで飛ばされないように凌ぐ。去れば今のうちに、とせっせと進む。誰に教えられたわけでもないけど、自然とそんな感じになった。この日は本格雪山デビューにはとても勉強になる日だったかもしれない。
こういう剥き出しの岩がかっこいい。
千畳敷カールを超えて乗越浄土までくると風はいっそう強くなる。ここからは縦走路に入る。まずは中岳へ向かうトレースをたどって歩くと、30分も経たないくらいで中岳の山頂に。歩いてきた道を振り返ると宝剣岳が険しく映る。登ろうかなと一瞬思ったけど、死にたくはなかったので今回は断念。
そこからまた30分くらい稜線を歩くと、中央アルプス最高峰の駒ヶ岳(2956m)に到達。蓼科山や大川入山から眺めていた中央アルプスのてっぺんに自分がいるんだよな、と思うと感慨深い。
風はめちゃくちゃ強いけれど素晴らしい景色。そしてここでなぜかカメラの設定がおかしくなって、シャッターおしてから五秒後に連写するモードでしか撮影できなくなる。強風の中、インナーグローブのみで20分カメラと格闘。この登山で1番のピンチ。なんかよくわからんけど謎のボタン連打したら治った。
カメラも治ったんで、後は帰るのみ。行きと同じ道を歩くのだけど、景色の見え方が全然変わる。これもまた登山の魅力だよなぁ。千畳敷カール越しの南アルプスはたまんないよ。こんなの見ちゃったから、今年の夏は南アルプスで遊ぶぞって決めた。待ってろ北岳!
余韻に浸りたいので下りは出来るだけゆっくり降りる。途中でエクストリームな降り方してる人たちもいた。冷静に考えると僕も同じくらいの急斜面を降りてるんだよなぁ。
だらだらとピッケルで遊びながら(滑落防止の練習とかしてた)ロープウェイ乗り場に到着。いやー、楽しかった。こんなに天気もいいしせっかくだからと思って、ロープウェイを一本見送って1時間後のやつにのることにした。待ってる間はコーヒータイム。菓子パンうまうま。ここから見える景色も素晴らしい。富士山も見えたよ。
なんというかね、結局のところ一人なわけで。これ以上レベルの高いところに行こうと思うと、一人は危ないわけで。うーん。切実に山仲間がほしぃ〜ョ。やっぱり自分がそうしてもらったように、初心者を育成するしかないのかな。ということで、山に興味がある人はシェキナベイベー!