NIKKI

なんかお腹痛いなぁ…って思った時に書いてるブログ

隣のパウダーは白い

福岡に転勤になってはや1年が経とうとしているが、当初から恐れていたことが起きた。こんなに単純なことで悩んでいるのはなんだか申し訳ないし、そりゃ当たり前だろという話なのだが、スキーが出来ない。家からスキー場に行くとしても島根と広島の県境くらいまで行かなきゃ行けないし(3時間)、九州唯一のスキー場のくじゅうはオール人工雪みたいなもの。去年まで白馬や妙高のパウダーを食べ尽くしてきた僕からすれば、わざわざガソリン代やリフト券を買ってまで滑ろうなんて思えないのだ。

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けれども、先週の大雪のおかげで中国地方にもどっさりと雪が積もった。それもよく冷えたパウダースノーだ。これを逃さない手はないし、その辺りの雪山にも登ってみたかったから、さっそく山地図を眺めながら見当を付けていた。木がほとんどなくてお手軽に登れる深入山や、恐羅漢スキー場を起点としたサイドカントリーもいいかもしれない。かなり足を伸ばすことになるが、大山でガチバックカントリーをしてもいい。そうやって今週は火曜くらいからあれこれ悩んでいたんだけども、何の意味もなかった。

休日出勤

土曜日の今日は朝から夜までガッツリ仕事だった。午前9時、設計検証のために棒ヤスリでプラスチックを削ると、白い粉が服の上に舞い降りる。これもパウダーか。そう思いながら僕はCADを修正するほか無かった。

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20時頃、帰宅してから今日の深入山の登山記録などを見まわすと、楽しそうにバックカントリーをしていた報告が立ち並ぶ。「この地域でこんなに軽い雪はなかなかないですよ!」「来週からあったかくなるそうなので今のうちに来てみました!」そんな報告が視界に入る度に虚しくなってくる。去年の今頃は平日に有給取って滑りに行ってたのになぁ。白菜を切る力が思わず強まる。

湯気を吐く土鍋を眺めながらしばらく考えていると、そんなもんか、という気持ちが芽生えてくる。今煮込んでいるあごだし鍋も九州ならではのものだし、同じくスーパーで買ってきた鳥刺しだってここでしか食べれない。そもそも夏に潜った大分や鹿児島の海もここに転勤にならなければ出会わなかったわけで。長野にいたままでは、穴に潜むクエや後輩が釣ったブリを知ることは出来なかったんだよな。

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そもそも雪が無くったって、家にはTrekの自転車が2台あるし、Fenderのギターだってある。それに、先週は長野出張のついでで黒姫山に登っているしな。贅沢になりすぎて感覚がおかしくなっているのかもね。27歳独身貴族。この生活がいつまで続くのかは分からないが、滑れる滑れない程度でこんなに一喜一憂するのは年齢にそぐわないよな。自由の裏返しみたいなものか。日々痛感して、こういう生活とも時期におさらばしないとな、と考えるし、鍋を見ているだけで気持ちも落ち着いてくる位には大人になったんだけど、イクイノックスが引退した寂しさを超えるものは無いよな。

 

(パンサラッサも)