NIKKI

なんかお腹痛いなぁ…って思った時に書いてるブログ

廃スキー場遊び

 

どうしてもバックカントリースキーというと、めちゃくちゃスキーが上手い人じゃないと、とか、登山をしっかり極めた人がやるもの、というイメージがあると思う。実際そういう部分はもちろんあるんだけれど、そういうバックカントリーよりももっとお手軽に、安全に雪山で遊べる場所がある。そう、廃スキー場だ。

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僕が一番最初にバックカントリーなるものに触れたのは旧飯綱高原スキー場だった。今は利尻島で道路工事やキャバ嬢の送迎、バーテンダーなどのバイトと塾講師(本業)をしている男に誘われて、始めてみたのだ。スキー場前の駐車場でいざ登るぞ!となった時に、致命的なのだが、まず道具の使い方が分からなかった。バックカントリースキーではシールと呼ばれる、アザラシの毛皮のような布をスキー板の裏に貼るのだけれど、僕は間違えてそれを上下反対にして貼ってしまったのだ。そうすると、シールの表面の毛が逆立つ方向が反対になってしまって、全く登ることができない。必死に登ろうとするも、そんなことに気づかなかった僕は、なんで!?なんで!?と叫びながら、駐車場からスキー場まで上がることが出来なかった。これが記念すべき第1回目のバックカントリースキーである。

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2回目はその次の週くらいで、さすがに勉強した僕は正しくシールをつけて登ることができるようになった。利尻島の彼(当時は長野在住だったが、ホームレス。車で暮らしていた。)と、他の仲間たち数人で、同じくかつて飯綱高原スキー場だったところを登って、その辺のいい感じのところを滑る、というのを何回も繰り返した。そのうち飽きてくるので、持ってきたスコップで簡単なキッカーを作り、ちょっとしたジャンプを試みるが、案の定着地に失敗して深雪に突き刺さる。それを見てみんなで笑う、ということをしていると、スノーシューで歩いてきたお爺さん二人組と遭遇した。少し話をすると、どうやら飯綱高原スキー場の管理人だった人らしく、「もう誰も使わなくなったから、思い切り遊んでやってください」と言ってくれた。この日からずっと、僕の心の中でこの言葉が残っていて、なんだか廃スキー場が愛おしく思えてきたのだ。

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それから約1年後の今日は、旧白馬みねかたスキー場に遊びに行った。ここのスキー場は普通のゲレンデだけではなくてクロスカントリー用の周回コースがあったらしく、そこを歩いてみたいと思った。駐車場に車を停めると既に先客が1組いた。彼らのトレースをありがたく頂戴しながら追いつくと、中年くらいの夫婦と黒い大型犬だということが分かった。すごい。犬連れて登るんだ。めちゃめちゃ憧れるぞ、これ。犬も楽しくて仕方がない様子で、自らラッセルして道を切り開いていた。軽く挨拶をすると、「僕らはこの辺で遊んでるんで。お気をつけて。」と言われて、そこからは自分でラッセルしなくてはいけなくなった。もっと犬を見ていたかったのに。それからは順調に進むも、ゲレンデのトップまでもう少しというところで、細かい木々の密集団が急に現れて、え?本当にこの上にクロカンのコースあるの?となった。半信半疑のまま木の枝を掻い潜って進むと、なだらかな平地が見えた。あるじゃん!クロカンのコースあるじゃん!ウキウキになりながらコースを歩く。たまに雪の上に落書きなんかをしながら。しばらく歩いていると、白馬の他のスキー場がはっきりと見える眺望スポットや、壊れかけている山小屋があった。かつての姿を想像すると悲しいが、こういった寂れた場所で寂れた建物を見るのは結構楽しい。だけどもあまりに寂れすぎていて、一人じゃ寂しくなってきたので、持ってきたスピーカーの電源をつけて爆音で音楽を鳴らす。vulfpeckのwait for the momentを歌いながら細まった道を30分ほど進むと、樹林帯に入り込んで、この先の道がどれなのかよく分からなくなった。今日はこの辺までか、と腰を下ろし、カップ麺にお湯を注いで3分待っている間に、こんなに楽しいことはないよな、としみじみ思った。どこまで進むかも、どれくらいの音量で音楽を鳴らすかも、どこでご飯を食べるかも自由。全部自分の好きなタイミングでやればいい。いろんなものに縛られた社会の中で生きていると、なおさら、こういうさり気ない自由がとても気持ちよく思える。たぶん僕はこの時間で人間を取り戻しているのだ。なくてはならない、持続可能性のための時間。まさにSDGs環境負荷も0!

だからね、スキーが苦手な人でも(僕もそう)、登山やったことない人でも、廃スキー場で遊ぼう!

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(正味、道具に金はかかる)

置けもしないのに

なんだか最近はあらゆるモチベーションが下がっていて、全く創作意欲なるものが湧いてこない。去年の年末に本を出した満足感がずっと続いていて、でも、読み返すともっといいものを作れたよな〜っていう気持ちもあって。それに、最低でもあれくらいのレベルのものをまた一から作るのはなかなかしんどいし、普通に仕事も忙しいし。と、もやもやと思い続けていたので、ここ数ヶ月はずっと"眺める"ことをしていた。

 

25歳、独身。20時まで残業後に最寄りのスーパーで半額弁当を購入。帰宅後すぐにシャワーを浴び、髪を乾かしている間に弁当をレンジに入れる。数分後、机に座るとすぐさまテレビの電源を入れ、アマプラでウマ娘の続きを再生。少し温めすぎた弁当を吸い込みながら左手でスマホを操作し、ジマンスタグラムを眺める。今日一日の、誰かの日々の、誰かに伝えたかったことを眺める。よく知らないグラビアアイドルの不自然な巨乳と、興味のない広告に挟まれて。

 

結婚というものは、なかなかに険しい。久しぶりに会った結婚間近の友達や、長電話をした恋と金と孤独を折り合えない女友達の生々しい話を聞くに、やはりここは生中出しを敢行し、産声を聞かねば結婚というものはできないのでは?という風に思った。もう自由がなくなるから、とキャバクラ遊びをすることや、彼氏が欲しい車をレクサスからマツダに変更したことについて褒め称えることを結婚への道だというのなら、僕にはあまりに険しすぎる。だけど、そんなことを考えながら食べる半額弁当はなかなかに美味い。

 

今年の夏は去年ほど山には行けてはいないけども、なかなかいい景色と出会えた。北海道旅行で登った利尻富士礼文岳。地元の石川県では白山。アルプスでは木曽駒ヶ岳蝶ヶ岳。何よりも今年痛感したのは、山は登るよりも眺める方がいいんじゃないかってこと。利尻富士の山頂から眺める景色は綺麗だったんだけど、次の日に礼文岳山頂から見えた利尻富士の方がずっと響いた。白山に登った時も、その頂上からの景色よりも、西穂高からうっすら遠くに見えた白山の方が良かった。まだ槍ヶ岳は行ってないのだけど、いろんな山々から見えた槍の穂先の方が好きなのかもしれない。

利尻富士より

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礼文岳より

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木曽駒と蝶ヶ岳

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うっすら遠くに見えるのが白山

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たぶんこれとおんなじ話なわけで、誰かが幸せになったり、苦しんだりしてるのも遠くから見てた方がいいのだろう。それについては、インスタっていうのはあまりにも最適な距離感でして、めちゃくちゃ遠いのに近く感じるっていうか。まるで、あの巨乳にも触れるかのような。そうやって毎日人を眺めて自分と比較して、なんとなーく、もやっとした気分になって。あと最近なんかマルチ商法に沼ってるやつ多いなーとか思って。こんなのずっと見てるだけだと元から捻くれてる性格が、もっと歪になっていきそうなので。たまにはここで文章書いていこうかな、と思った次第でありました。

 

(ブルーレット置くだけを買って三日経つのにまだ置けてないです。置く、という行為はとてもハードルが高い。)

西穂高とコントレイル

 

冬山登山の一番大変な、というか最大の障害はなんといっても道路の冬季通行止め。これに尽きる。夏は何回もいっていた蝶ヶ岳や燕岳への道は封鎖され、登山口にたどりつくにはなんの面白みもない峠道を2時間くらい歩かないといけなくなる。そりゃ、僕だって冬の蝶ヶ岳は登ってみたいけど、道路を2時間歩くほどかと言われればそこまでではない。だから冬は木曽駒のようにロープウェイである程度高い標高まで辿り着ける山にクソ高え金(3000円)を払って登るに留まっている。前回は木曽駒に行ったので、他にいい感じのロープウェイがないか調べてみると、新穂高ロープウェイというものがあった。実は松本から金沢の実家に帰るときには高速道路は使わずに、上高地を経由して岐阜県側から帰っているんだけど、ちょくちょく「新穂高ロープウェイ 40km手前」なんて看板を見かけていたから気になってはいたんだよね。40km手前ってなんやねん、と。で、詳しく調べてみると、このロープウェイは二階建てらしい。凄い。凄すぎる。しかも、ロープウェイから先は西穂高岳、さらにはジャンダルム、奥穂高岳への登山道になっていて、冬でも登山者はそこそこ多い。これはもう行くしかないぞ、ということで晴天が狙える土曜日に西穂高岳独標を目的地として登山をすることに決めた。

 

 

 

家から車を2時間ほど走らせてロープウェイの乗り場につく。まずは普通の一階建てタイプのロープウェイに乗って、鍋平高原まで。

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(写真撮ってないんで検索して出てきた画像で)

 

続いて、二階建ての第二ロープウェイに乗って西穂高口まで。

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(こっちも写真撮ってないんで拾った画像で)

 

二階建てにワクワクしていた僕だったが、一階の、しかも真ん中の方に立ってしまいあまり景色を楽しめずにロープウェイは終了。登山者というよりは、子連れなどの普通の観光客が多く、ロープウェイからの景色に感動しているようだったので、「おうおう、おめーらはそっからの景色だけで満足しとけや」と心の中で思いつつも、ほんとはめちゃくちゃ窓からの景色を見たかった。少し、去年住んでいた大都会東小金井を走る中央線を思い出した。

 

 

ロープウェイを降りて登山口に進むと、雪の迷路みたいな道から始まる。子供らが鬼ごっこをして走り回っていたので間違ってピッケルで殺してしまわないように気をつけて進む。

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迷路を抜けると次は樹林帯に。少し北横岳に似ている。ツボ足でも歩きやすい。穂高ですら樹氷がもう消え去っているのだから、本格的に春が近づいてきたことを感じる。

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木々の間から覗く山脈もまた美しい。2本のコントレイル(飛行機雲)が際立つ。

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少し傾斜がキツくなってきたところでアイゼンを装着。クソ暑いので服も脱ぐ。下のハードシェルのベンチレーションがありがたい。おっさんたちがひいひい言いながら登っていく横を颯爽(ガウアウオ〜ッ(プシューッ))と追い抜かしていく。最近昼休みに頭文字Dを読みまくっているので、気分は中里のGT-Rのようだ。僕自身は四駆ではないが。

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40分ほど歩くと、西穂高山荘に到着。色とりどりのテントが羨ましくなる。日曜が晴れの予報だったら持ってきてたのになぁ。最近週末だけに雨予報が多くて困る。競馬の予想でも不良馬場ばかりで困る。

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森林限界を抜け、ここからが登山本番。青空の下の縦走路がなんとも気持ちいい。雪質もスキー場のようなもうジャリジャリの水分の多いものではなく、からっとしたパウダースノー。やっぱ雪はこれじゃないとね。30分ほどで丸山に到着。ひいひいオッサンたちはここで引き返す。

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この辺りは航空路になっているのか、飛行機の音がよく聞こえる。空には飛行機雲が何本もかかっている。この地に住んでもうすぐ1年が経つけども、1年前に羽田からの飛行機から眺めたアルプスの山脈を今は歩いているのかと思うと楽しいね。1年前なんて、自分が冬山登山をやるなんて思っていなかったよ。

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独標が近くなってからはかなりの急勾配に。手を使わないと登れないくらい。雪のない岩場をアイゼンで登るのは難しいし、ピッケルを岩に当ててしまってカーンと甲高い音を響かせるのも恥ずかしい。初心者感丸出し。だけど、こういう岩場を登ると登山やってるな〜感があって楽しい。ましてや気分はGT-Rなのだから。ネットでは独標までの道は怖いし危ないと書かれていたので、警戒していたがそこまでではなく普通に登れた。たしかに体力に自信がない人はやめといた方がいいとは思うけど。

奥にうっすら見える山脈が白山。小さい頃に何度も登った山だから今となっては感心を持てなかったが、めちゃくちゃかっこいいじゃねーか白山。こんなの見たら登るしかないね。また夏に行かなきゃいけない山が増えた。山に登ることで登りたい山ができる。これぞ登山の醍醐味よ。

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本来はここまでで終わるつもりだったが、時間も体力も余裕があるので、次のピークのピラミッドピークまで行ってみることに。独標から見上げるとなかなかに険しい。ピッケルとアイゼンを慎重に突き刺して進むが、さすがに怖くなってきた。下の写真を見ても、かなりの急勾配であることがわかると思う。もちろん落ちたら一発KOだろう。

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中里のこの名言を胸に4WD状態で進む。まさにGT-R

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安全なところから後ろを振り返ると、さっきまでいた独標が映る。空には新たな飛行機雲が。どこからきて、どこにむかうのだろうね、とか。ちゃんと窓の下みてるのかな?とか。少し考えてみたりする。

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さらに高度を上げていくと、独標がもうこんな下に。たぶん独標から15分くらいのところだったと思うんだけど、たったこれだけの時間でこうも景色が変わるなんてね。平日の15分なんてゴミみたいな価値観しかないのにな。

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危険箇所も何箇所かあったが無事にピラミッドピークに到達。西穂高岳へのルートを見て、こりゃ無理だわ、と思いながらコーヒーを飲む。

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一息ついたところで、下山開始。ここからが大事。登ってるときに薄々気づいてたけど、下山のほうが全然難しいんじゃねーか、と。嫌でも下の崖とかが見えてしまうから視覚的にも怖いし、体勢も安定させづらくて技術的にも難しい。写真じゃあまり恐怖感は伝わらないかもしれないけれど、途中では横断歩道の白線くらいの幅しかない道もあるし(しかも半分くらい雪庇になっていて危険。踏み跡ついてたからみんなそこ歩いてたけど、僕はちょっと難しくなるけど横の岩場を通った。雪庇が崩れて死ぬのは勘弁なので)、普通に怖かった。登山で恐怖を感じたのは初めて登った初冬の白馬岳以来で少し新鮮な気持ち。だけど、危険なところほど美しさも際立っていて。だから人は山に見せられて死んでいくのかなぁ、なんて思ったり。

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穂高へと続く山脈。夏はジャンダルムを超えてそこまで行きたい。ハイマツ越しに見える笠ヶ岳も綺麗。こっちも行ってみたい。ほんとやりたいことだらけでどうしようもねえな!
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危険箇所を抜けると後は気持ちいい縦走路。めちゃくちゃゆっくり歩いた。

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今回は久しぶりに実戦に温泉倶楽部ジャケットを使用。やっぱこれ、すごく使いやすいんだよなぁ。タンスに眠らせている倶楽部員の方々はもったいないんで使いましょうぞ。
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あっという間に山荘とテントたちが見えてきて登山も終了。今回は天気に恵まれて幸運でした。それに、岩場をアイゼンで歩く難しさもわかったし、冬山でも自分のレベルがそんなに高くないってことも分かった。危ないってことを怪我せずに分かったことが1番の収穫だね。自分の行けるところ、できることを見極めて、安全に山を楽しむ。それに尽きますな。下手くそがイキるのが危ないって、頭文字Dでも書いてあったから。

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マルチ商法を断る最適解を探して

 

高速道路をドライブしていると、中学時代の友人から突然電話がかかってきた。それも女の子だったから、ひょっとして愛の告白?!なんて思ったりもしたが、もちろんそんなことはなかった。昔の知り合いからの突然の電話。十中八九マルチ商法だ。少しがっかりしながらも、「あー、久しぶりにマルチに誘われたな」ってなんだか懐かしくなって、あの暑い夏の日のことを思い出した。

 

 

今から遡ること約2年。2019年、東京。僕は退屈と戦っていた。大学院という名のモラトリアムは何も刺激的なことはなく、ただひたすらに競馬に打ち込むしかなかった。その競馬も夏だからG1は無く、面白みに欠けていた。そんな最中かかってきた、高校時代の友人からのマルチへの誘いの電話。そういった電話がかかってくるよ、なんて噂はよく聞いていたけれど、まさか本当にかかってくるとは。僕は胸を躍らせて、すごい興味ある!是非とも話を聞かせて!と返事をし、数日後に会うことを決めた。すると彼は気を良くしたのか、バカなのか、なぜか会う予定だった日の前日にわざわざ僕の最寄り駅までやってきて、一緒に夜ご飯を食べよう、と誘ってきた。僕はこれから彼に舞い降りる地獄を知っていたので、可哀想だなと思いつつも、承諾した。

改札前にやってきた彼は、昔とそう変わらない顔つきで、はたから見ただけではマルチをやるような怪しい雰囲気は感じなかった。懐かしい気持ちに浸る間もなく、僕は

「よう!久しぶり!腹減ってるやろ!ラーメン食え!」

と軽く挨拶をして、近所のデカ盛りで有名なラーメン屋に連れて行った。

「ここではみんな、大盛りを頼むのがふつうだよ」

という僕の言葉にさっそく騙された彼は、ラーメン大盛りに海苔、ほうれん草増しを注文し、おかわり自由のライスも、僕に目一杯にもられてしまった。前半はめっちゃ美味いやん!と言っていた彼だったが、海苔が尽きたあたりから失速。目線は斜め下を虚に指していた。

「やっぱ単品じゃなくて、ラーメンとご飯のマルチやとキツイね!」

という僕の毒々しい言葉も、もはや彼には消化できない状態だった。彼は何度も「もう無理」と言っていたが、「これ食い切らんと君のいうビジネスの説明は聞かないよ」という僕の脅しに奮闘。永い時間をかけてようやく完食した。マルチ商法は人の潜在能力を高めるのかもしれない。あ、そういえば実は彼は夜ご飯をたべてきていたし、僕も当然そんなことを聞いていたけど、腹減ったやろ!と言って勢いで丸め込んだ。

 

そして翌朝。実はマルチの説明を聞くのは僕だけではなく、彼の小学校の友人も来るということが発覚した。味方か敵かわからないが、うまくやり込めるしかない。

「昨日のラーメンがまだ残ってるわ〜」

と、彼が宣うので、僕は

「食べ物を食べ物で押し出すイメージ」

と言い、彼を吉野家へと連れ出した。

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牛卵とじ定食(大盛り) 967kcal

どうもイメージ通りにいかなかったみたいだが、眠気は覚めたらしい。それから阿佐ヶ谷駅へと移動し、彼の小学校時代の友達(以後、A君)と待ち合わせをした。なんだかファッションに興味がありそうで、なよなよした雰囲気のA君はマルチの匂いすら感じずに、彼との久しぶりの再会に心の底から楽しんでいるようだった。だけども、僕の何の意図にも気づかず、思い出話に花を咲かせながら駅からぶらぶらと歩いてきた二人を待ち構えたのは、すしざんまい。

「今日は奢ってくれるらしいぞ!なんか仕事の調子いいみたいやからな!」

と突然僕に言われた彼は従うしかなく、「まかせろ!」と張り切って店内へとエスコートしてくれた。

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寿司 約600kcal

彼がトイレに行っている間、僕はA君を味方につける。

「実はな、あいつ今からマルチ商法をおれらに誘ってくるのよ。やからそれを止めるためにも、めっちゃ食わそうと思うんやけど、協力してくれる?」

困惑とドン引きと爆笑。A君は快く仲間になってくれた。その後はドデカ味噌汁一気飲み×2など、大盤振る舞いをしてくれた彼は、いよいよマルチ商法の説明をするために、僕たちをファミレスへと呼び込んだ。当然素直に従うはずもなく、店の前で一悶着を起こす。

「なんか寿司食べたら眠くなってきたわ。ファミレスでビジネスの話するんやったら寝てしまいそうやし、ハンバーグ食ってくれんか?」

意味不明の論理を勢いで誤魔化す。いや、さすがにもうお腹いっぱいだよ、と彼は言うが、「食べないなら帰る」の僕たちの言葉の前ではもはや奴隷。0.3悶着程度で話し合いは終わり、彼のテーブルの前にはハンバーグが置かれていた。

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目玉焼きハンバーグ 514kcal

彼はこれをなんとか食べ切り、マルチの説明を始めようとするが、僕はそれを許さない。

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ペペロンチーノ 457kcal

さらには、やっぱ食後はデザートでしょ!の一声で

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プリンとアマレーナの盛合わせ×2 686kcal

ちなみに見たら分かるが、ペペロンチーノは食べ切れていない。全然食後ではない。彼はこんな絶望的な状況の中、なんとか完食。マルチへの執念が生んだ、見事なフードファイトだ。そして、これを讃えての

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プリンとティラミスの盛合わせ 445kcal

そして、ついにここでマルチ商法を説明する権利が彼に与えられた。ここまでガッツを見せられて話を聞かないのでは、さすがに僕も男が廃る。

さっそく彼は、夢がどーだとか、金は努力でいくらでも手に入るだとか言うが、僕とA君が見ているのはメニュー表。あんまりにも僕らが真面目に聞かないもんだから、彼が資料を視界に入れさせようと身を乗り出して立ち上がると、テーブルの角がみぞおちに激突。「ヴ」と彼は言い残し、一目散にトイレへと直行。15分後に何事もなかったかのように戻ってきた彼は、説明を再開。さすがに可哀想になってきたので一旦真面目に聞くことにした。

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だけど、権利収入だとかよくわからない言葉が出てきたので、

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オレンジのパンナコッタ200kcal(期間限定)

これを意外にもペロリと平らげていたので、パン繋がりで

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フランスパン 279kcal

もう僕たちを、というよりは彼を、止められない。マルチのためならどれだけでも食べる男に彼はなったのだ。これが、マルチなのか。マルチの説明はよく分からなかったが、マルチの凄さはよくわかった。本当に凄い。ということで、ダメ押しの

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半熟卵のハヤシ&ターメリックライス 676kcal

さすがに人が苦しみながら食べている姿を見るのは辛くなってきたので、「競馬見なきゃいけないから」と言って帰路に。やっぱりマルチはよくわからんなぁ、というもやもやした気持ちを抱えて電車に飛び乗った。

振り返ってみると、僅か3〜4時間の間に合計4824kcalと、成人男性の約2日分のカロリーを摂取かつ全額おごり(約二万円)という、敬意を示すべき結果を彼は残してくれた。だけど、そこまでしなきゃならないほど、マルチというのは追い込まれてしまうものなのかもしれない。そういう危険性を秘めているからこそ、安易に近づいてはいけないし、もし誘われたとしても自分の頭でしっかり考えて、断る勇気が必要なのだ。だけど、そういう勇気がもてない、怖い、と言う人は今回の僕の断り方を参考にしてほしい。ひたすら食べさせ続けることで喋らせない。説明のチャンスを与えない。説明がなければ、断る必要もないのだ。ただ、これも数多ある断り方の一つに過ぎないわけで。今度はどうやって断ろうか…。

 

 

天津炒飯について考える

 

ある仕事終わりの夜。たまには店で何か食べたいなぁと思っていたし、その日はものすごく中華の気分だったから、餃子の王将に入ることにした。店内は客がまばらでなかなかに厳しいことが伝わる。颯爽とおひとり様で4人用ボックス席に座った僕は、メニューを開き、皿うどんにするか、天津飯にするか迷っていた。わりかしあんかけ系の食べ物が好きな僕は、だいたい王将では皿うどんを頼む。なんなら今日の昼飯も冷凍食品の皿うどん。ただの野菜炒めや回鍋肉よりも八宝菜の方が好きだ。ただ、この日はなにぶん腹が減っていたので、もう少し食べたい。餃子はもちろん頼むとして、ミニ炒飯でも頼みたいところ。だけど、皿うどんと餃子とミニ炒飯を一人で全部食べるのも罪悪感があって、少し躊躇する。天津飯とミニ炒飯にすると、ご飯ものが被ってしまって完璧なオーダーとは言い難い。席に着いた瞬間に注文したドデカハイボールを喉に注入しながらメニューを巡っていくと、この店オリジナルメニューの天津炒飯というものを見つけた。この言葉通り、天津飯のご飯部分が炒飯になったものだ。なんと素晴らしい。僕はもう、これしかないと思った。即座にボタンを押して店員に「天津炒飯と餃子一人前。あ、あとドデカハイボールも追加でお願いします。」と注文した。それから待つこと数分。念願の天津炒飯が到着。天は炒飯の上に天津を造らず、天津の下に炒飯を造らず。とは、かの有名な福沢諭吉a.k.aあんかけ魂 が言ったとされる言葉で、今では小学生でも知っている名言だ。その言葉をブチ破った、目の前の一品。さっそくレンゲで中の様子を見てみると、卵の下にはなんの変哲もない炒飯。さっと見ただけで、餡の味に合うように、なんて工夫はまったくされていないであろう炒飯。そうそう、こういうのでいいんだよ。調整やチューニングなんて要らない。ただ炒飯に卵とあんかけを乗っけてくれればいいんだ。勝手に一人で納得しながら、あんかけをたっぷり乗せたものを口に運ぶ。美味い。すぐさま左手はドデカジョッキを掴み、ハイボールを体内に補給。良い。このジャンキーな感じが。愛してるぜ王将。

3口/minのスピードで半分ほど食べ終わったところで、なんとなくこの味に飽きてきたのか、ひとつの疑問がよぎる。おれは、何を食べているんだ。炒飯を食べているのか、天津飯を食べているのか。メインはどっちなんだ。口に入れるたびに舌で感じる味の軸が天津飯と炒飯を行ったりきたりして、非常に不安定。その直後にやってくるハイボールも、天津vs炒飯の戦場と化した舌上を完全に洗い流すことはできない。そこにさらに餃子もやってくるもんだから、もうてんやわんやですわ。我が舌に「美味しいですか?」と聞いてもまるでSiriのように「よくわかりません。至急、ハイボールを投入してください。」としか返事が来ない。そこからはもう、義務感でしか食べれなかった。

王将を退店後、細長いビルの3階にあるクソみてえなスナックに行き、30代後半と思われるクソみてえなママに天津炒飯とは何ぞや、という話を延々とし続けた。1時間鏡月飲み放題で3000円で。鏡月もクソ不味かった。ママは、突然現れた初見の客が天津飯と炒飯を合体させることについての罪について語り続けるのに困惑をしながらも、流れを変えようと元旦那の束縛がいかに厳しかったかの話を突然吹っかけてきた。だけども、そんな話にはまったく興味がないので、僕は一言だけを返して去った。「天津炒飯みたいなもんですよ。あなたが炒飯で、元旦那が天津。合うように見えて、合わなかっただけ。最初の一口は美味しいんですけどね。」

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(そのスナックのババアはワゴンRに乗っていて、ちょっとした山道のことをやたら"峠"と呼んでいた。)

わたしの愛用品たち

 

仕事から帰ってきて家で一人で暇なんで、モノを雑に扱うことで有名な僕が割と大切にしてるモノたちを紹介しよう。

 

その1 テレキャスター

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fenderテレキャスではないんだけどね。安物ギターだけど割と良い音が出ると思ってる。最初の頃はリアピックアップを使ってジャキジャキサウンドを楽しんでいたけど、最近はフロントかハーフで、トーンをMaxまでかけて丸くて優しい音を出して遊んでいる。中高生っぽい音から中高年っぽい音まで幅広く出せるのがテレキャスのいいところだと僕は思う。だけど、こいつを弾けば弾くほどストラトキャスターが欲しくなってしまうのが悲しいところ。ギターって、物欲って、そーゆーもの。

 

その2 Marshallのスピーカー

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椎名林檎も言ってたよね。マーシャルの匂いで飛んじゃって大変さ。ってね。とてもよくわかる。音がめちゃくちゃ良い。特に重低音。あとツマミ類もアンプっぽくてかっちょいい。これでディアンジェロとか聴くと完璧。この先しばらく使っていきたいスピーカーです。

 

その3 ミレーのHAKUBA38+

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僕のよく使ってる登山用ザック。雪山登山のときとか、一泊二日以上の縦走の時によく使う。これを買うまでは友達から譲ってもらった古いミレーの45Lザックを使ってたんだけど、悲しいことに壊れちゃって。新しいのを買う上で、45Lも要らないっていうのと、ミレーの背負い心地が好きってことで選んだのがこれ。白馬のガイドさんが開発に関わったらしくて、使い勝手が非常に良い。個人的にはザックの最下部へのアクセスの良さが気に入っている。もっとこのザックを使いこなせるように、登山が上手くなりたいところ。

 

その4 パタゴニアの温泉倶楽部ジャケット

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何年か前に温泉倶楽部の仲間たちと作ったハードシェル。温泉とふるさとの石川県の形をしたマークが入ってる。ハードシェルとしてもなかなかの高機能で去年の夏はメインで使ってた。さすがに今年も使うとダメになっちゃいそうだから、今後は温泉倶楽部で集まる時に着る用として大切にとっておく。今年の夏用ハードシェルはミレーのティフォンを買うつもり。

 

その5 ソニーデジタル一眼レフ

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これまで何度も過酷な環境に連れてかれたが、耐え抜いている猛者。いろんな機能があるみたいだけど、そんなにカメラに興味ないんでおまかせモードでしか撮ってない。ちょうど良いレベルの写真が撮れる。これ以上綺麗になると肉眼を超えて気持ち悪くなってしまうから、僕にはこれがちょうどいい。

 

その7 ピッケル&アイゼン

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僕の冬山の相棒たち。ブラックダイヤモンドのピッケルとグリベルの12本爪アイゼン。まだ少ししか使ってないけど、なかなかに信頼できる奴ら。これからもっと雑に扱うから覚悟しとけ!

 

その8 スノーピークの焚き火台&ダッチオーブン

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夏のボーナスで買ったやつら。これまた雑に扱って、ダッチオーブンは何度か錆びさせてしまっている。これらを買ってから自分のキャンプスタイルに一本軸が通った気がする。とりあえず車の中にこの二つと椅子とテーブルを詰め込めばどこでも遊べるという安心感。ダッチで煮込むほうれん草たっぷりのシチューが美味い。

 

その9 山専ボトル

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冬の救世主。いつでも即座にあったかいお湯が飲める。こいつを使って食べたカップ麺はもう10は超えたかもしれない。登山用の500mlと雪山遊び、車中泊用の900mlの二つでやりくりしている。

 

 

その10 スバルXV

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まさに生命線。これがなければ俺が俺でなくなる。こいつがいるから色んなところに行ける。険しい登山道も高速道路のロングドライブも全てが快適。車中泊もフルフラットになるから寝やすい。ぶっ壊れるまで乗るから覚悟しておいて欲しい。そんでぶっ壊れたら次もスバル車に乗る。雪国ではまさに無敵。絶対的なスバルへの安心感。俺はもう四駆じゃない車には乗りたくねえぞ!

 

 

以上。なんとなく思いついた僕の大切なもの十選。壊したり盗んだら殺すっ!

 

 

雪山の基礎は木曽駒ヶ岳から

 

大川入山や蓼科山を登ってみて、やっぱり本格的な雪山を登りたい!と思った僕。けれどもそんな雪山登攀スキルなんてないので、とりあえずなんか行けそうなアルプスの山を調べてみた。いわゆる初心者向けの山として挙がったのは乗鞍岳木曽駒ヶ岳。乗鞍はどちらかというとバックカントリー向けの山で、そんなにスキーが得意ではない僕には肩身が狭い。それに、アイゼンとピッケルをがっつり使った登山がしたいな〜と思っていたので候補から除外。木曽駒ヶ岳はまだ行ったことはないし、有名な千畳敷カールも見てみたい。それに、もし次の夏に登山初心者を連れていくならここかな〜と思っていたのもあって、下見としても(どんだけ前から準備してんだよwと思うが)木曽駒ヶ岳に登ることにした。

 

天候は晴れ。風は強し。菅の台バスターミナルからバスに揺られて30分。ロープウェイ乗り場に着く。ガラガラのロープウェイに揺られて程なくすると、アルプスらしい景色が流れてきた。

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やっぱりね、このスケール感こそアルプスだよなぁ。最近は低山で遊んでばかりいたので、秋以来のアルプスとの再会にうれしくなる。

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ここから登山開始。いやー、楽だな木曽駒は笑。いきなりこんな良い景色から始まるなんて。夏だと登りごたえがなさすぎて不完全燃焼になりそうな気がする。個人的には無限に続くような樹林帯を抜けると突然現れる景色が好きなんだけど、初心者にはこっちの方がいいのかもしれない。この景色をみて登山好きになってくれる人が増えたらいいな。

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強風が吹き付ける中で、アイゼンとピッケルをしっかり雪に差し込んで進む。突風が来たらしゃがんで飛ばされないように凌ぐ。去れば今のうちに、とせっせと進む。誰に教えられたわけでもないけど、自然とそんな感じになった。この日は本格雪山デビューにはとても勉強になる日だったかもしれない。

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こういう剥き出しの岩がかっこいい。

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千畳敷カールを超えて乗越浄土までくると風はいっそう強くなる。ここからは縦走路に入る。まずは中岳へ向かうトレースをたどって歩くと、30分も経たないくらいで中岳の山頂に。歩いてきた道を振り返ると宝剣岳が険しく映る。登ろうかなと一瞬思ったけど、死にたくはなかったので今回は断念。

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そこからまた30分くらい稜線を歩くと、中央アルプス最高峰の駒ヶ岳(2956m)に到達。蓼科山や大川入山から眺めていた中央アルプスのてっぺんに自分がいるんだよな、と思うと感慨深い。

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風はめちゃくちゃ強いけれど素晴らしい景色。そしてここでなぜかカメラの設定がおかしくなって、シャッターおしてから五秒後に連写するモードでしか撮影できなくなる。強風の中、インナーグローブのみで20分カメラと格闘。この登山で1番のピンチ。なんかよくわからんけど謎のボタン連打したら治った。

カメラも治ったんで、後は帰るのみ。行きと同じ道を歩くのだけど、景色の見え方が全然変わる。これもまた登山の魅力だよなぁ。千畳敷カール越しの南アルプスはたまんないよ。こんなの見ちゃったから、今年の夏は南アルプスで遊ぶぞって決めた。待ってろ北岳

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余韻に浸りたいので下りは出来るだけゆっくり降りる。途中でエクストリームな降り方してる人たちもいた。冷静に考えると僕も同じくらいの急斜面を降りてるんだよなぁ。

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だらだらとピッケルで遊びながら(滑落防止の練習とかしてた)ロープウェイ乗り場に到着。いやー、楽しかった。こんなに天気もいいしせっかくだからと思って、ロープウェイを一本見送って1時間後のやつにのることにした。待ってる間はコーヒータイム。菓子パンうまうま。ここから見える景色も素晴らしい。富士山も見えたよ。

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なんというかね、結局のところ一人なわけで。これ以上レベルの高いところに行こうと思うと、一人は危ないわけで。うーん。切実に山仲間がほしぃ〜ョ。やっぱり自分がそうしてもらったように、初心者を育成するしかないのかな。ということで、山に興味がある人はシェキナベイベー!

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